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理事長のことば

潮来こども園の理事長である近藤良のコラム

理解は愛から(3)

「キリスト教保育」9月号掲載

近藤 良 ク ラ リ ネ ッ ト 奏 者 / 潮 来 こ ど も 園 理 理 事 長

 私が信仰に導かれた話をするには、高校時代にまで遡らねばならない。その頃の私は、しきりに空を見上げながら白い雲が流れゆく光景を眺め、これから始まろうとする自身の人生を、いったいどのように歩めば良いか迷っていた。やがておぼろげながら一つの考えが浮かび上がった。それは真実に出会いたいというものだったが、私が思い描く真実とは、サイエンスやジャーナリズムのそれとは異なるものに感じられた。そこで私は音楽の道を歩むことにしたのだが、音大に進学しても真実を見出すことは出来なかった。その私の想いを察した一人の先生が、ドイツ留学の決心を促してくださった。

 ドイツでのレッスンは「今の貴方の演奏で良かったところは」と、長所の指摘から始まったので、とても驚かされた。ハイリーギフテッドという言葉も耳にしたが、半世紀近く前だったので、何を言っているのか判らなかった。ただ自分の短所ではなく、長所を教えられるのは、心地よかった。長所を見つけそれを認める関係は、友人との間でも同じだった。トーマス、コンラート、ヨハネス、他にも真実を共有できる多くの友を得た。彼らは、あるがままの私を受け入れてくれたが、さすがにそれには驚かされた。人に対して敬意をもって接する大切さも、彼らを通じて改めて学ばされたが、それは日本のそれとは違う、何か、キリスト教が深く関わっている気がしてならなかった。

 ところで、ケルン音大でアマデウス弦楽四重奏団から特筆すべき教えに出会った。それは演奏する上で最も重要なことへの問いかけだった。「大切なのは表面的に整った演奏ではない、例えそれがどんなに音楽的でも不十分だ」と、返事に窮した私に、先生は【真実】とひと言答えられた。私が生きる真(まこと)の神に導かれるには、もうそれで十分だった。

※本稿は、月刊誌『キリスト教保育』掲載原稿を、許可を得て転載しています。

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